<ご相談の主旨>

  • 家族に対する攻撃行動
  • 特に、夜間寝ているときに、何もしなくても突然咬み付く

<基本の情報>

  • Sちゃん:犬種トイプードル、年齢6歳4カ月、性別避妊済み雌、体重約7.3㎏

健康状態について

  • 気になるところはなく、特に問題は発生していない。

既往歴について

  • 特になし。

生活環境

  • 問診票参照
  • リビングと寝室で過ごしている。
  • サークルはなく自由にしている。

生活習慣

  • 問診票参照
  • 散歩は1日1回30分、朝もしくは夕方に実施
  • 散歩は好き、お出かけも好き、車も好き。
  • 首輪を着け始めたのが2~3年前
    • 違和感がありそうだけど、攻撃してくるわけではなかった。
  • 今の夫と住み始めたのが3年ほど前。

<問題となっている行動について>

これまでの経緯・問題行動の発生状況

  • 主な症状
    • ①撫でている時に咬む
      • 状況
        • 1人で撫でていても、2人で撫でていても発生する
        • 咬むようになってから、飼い主さんは、撫でるのを控えている。
        • 夫さんは撫でるけど、問題なく撫でることができている
        • たまに急に攻撃して来ることがある。
      • 頻度
        • 月に1回程度噛みついてくる
        • 2~3カ月に1回、傷が残る程度咬まれることがある
      • 程度
        • あまがみのときもあるが、強くかまれて出血することがある。
      • 対応
        • 基本的にはべたべた撫でないようにしている
        • へそ天しているときに少し撫でることもある
        • 車の中にいるときに、膝の上にいるときに撫でても、攻撃しない。
    • ②散歩ついた引っ付き虫をとれない
      • 飼い主さん
        • びくびくしてしまう、怖くてできない
      • 夫さん
        • たまにうなる、牙を剥きだすが、嫌がっていないタイミングでとるようにしている
        • 唸らせないようにとるようにしている
    • ③ブラシができない
      • 飼い主さん
        • やっていない。
      • 彼氏さん
        • やろうとしたが嫌がられた。
      • トリマーさん
        • カットは問題ない
    • ④夜中寝ている時に突然咬む
      • 状況
        • 布団の中にいたり上にいたりする
        • 寝がえりを打ったわけではないのに、突然攻撃してきた
        • 昨日は、手と顔を咬まれた
        • 甘咬み程度の強さの時もあれば、3~4回強くかんでくることも
        • 強く咬む場合は、怪我になることが多い
        • 対象は彼氏さんのみ
      • 頻度
        • 週に1回くらい発生している
      • 程度
        • 必ずしも怪我になるレベルではないが、危ない時もある。
    • ⑤自宅への来客に吠える
      • 状況
        • 来客が家に来ると吠える
        • おやつを与えると少し撫でさせる
      • 発生頻度
        • ほとんど来客はない。
    • ⑥ペットホテルで吠える/攻撃する
      • 状況
        • ペットホテルのスタッフさんが触れないと預けられない
        • 前回咬んでいるので預けるのが難しい
  • 実際の攻撃行動
    • 2年ほど前から咬む行動が出始めた。
    • 2年前
      • 首輪にリードを着けようとしたときに咬まれた。
      • ほぼ同時に、撫でていると咬む行動も始まった。
      • 腰が悪いのではないかといわれて、痛み止めを飲んだけど関係なく攻撃は続いた。
  • その他の状況での攻撃
    • トリミングサロンでは、前足を触ると嫌がるが、攻撃されたことはない。
    • ペットホテルに預けた際に、靴を咬まれたらしいが、詳細は不明

<その他の情報>

  • 寝ている時はへそ天で寝ていることもある。

<情報の整理>

  • 困っていてどうにかしたいこと

<お話し>

  • 今回の問題行動の原因ははっきりとはわかりませんが、睡眠時に発生していることから、夢を見ていたり、何らかのバイオリズムの影響がきっかけとなる刺激となり、過去の元旦那さんからの体罰の影響もあり、記憶がフラッシュバックして、不安が強くなり突発的に攻撃している状態ではないかと推測されます。撫でられると噛む、首輪を触ると噛むというところから攻撃行動が始まっていることを考えると、そうした刺激が何らかのタイミングで「夜寝ているとき」という状況と関連付けられてしまった可能性があります。
  • 睡眠に関連する問題行動では、まずは、睡眠の質を挙げるための取り組みが必要です。しっかり運動をさせる、活動をさせることは、睡眠の質を挙げるための基本的な取り組みです。
  • 突発的な反応であり、寝ている最中に起こることから、トレーニングの実施は難しい面があります。薬物療法を併用して反応を見ていくことにしましょう。
  • 撫でていると噛むと言う状況については、一定程度触られること、何かケアをされることに対する嫌悪感は存在すると言えるでしょう。ブラッシングが苦手ということで、小さいころからの経験により、ブラシやケアに対する警戒心を抱いている可能性があります。この部分についてはトレーニングにより改善できる可能性があります。

<具体的な対応策>

  • 夜に散歩に行く
    • 活動量を増やすために、散歩に行くようにすると良いでしょう。
  • 知育トイの使用
    • 活動量確保のため、知育トイを使用するようにしましょう。
  • 基礎的な信頼関係構築のトレーニング
    • オスワリ・フセ・マテなどの基礎的なトレーニングをしっかり積んでいく必要があるでしょう。
    • 特にフセマテの状態で心理的にリラックスしながら、姿勢を維持できる状態を作れると、ケアの練習もしやすくなるでしょう。
  • 触られることに馴らす/触ることに馴れる練習
    • 基礎的なトレーニングが十分に習熟したうえで、触られること/触ることに馴れる練習を行っていくと良いでしょう。
  • 薬物療法
    • 塩酸フルオキセチン
    • 頓服ではなく、1日1回飲ませるお薬です。用量は1‐2㎎/kgです。
    • 脳内のセロトニン代謝を調節し、抗不安作用、抗うつ作用を生じます。衝動性、感情の昂ぶりを抑える効果が期待できます。
    • 副作用は、下痢、食欲低下、傾眠傾向です。