子犬の咬みつきに悩む飼い主さんは、「子犬が咬まなくなってほしい」と思っていると思います。
しかしながら、子犬が咬まないようになるしつけることはとても難しい事です。なぜなならば、子犬が咬むことは、子犬らしい自然な行動であり、子犬が「咬みたい」と思う欲求はなくならないからです。
大切なことは、咬ませない事ではなく、適切な物を十分に咬ませて、不適切な物を咬ませないことです。
飼い主の手や、服や、スリッパや、耳や、髪の毛は、咬まれたくない不適切な物ですね。飼い主を咬まないようにするためにはどうしたらいいでしょうか?ポイントは、「子犬に咬みつきをやめさせる」のではなく、「飼い主自身が、咬まれない飼い主になる」事です。
咬まれない飼い主になる4か条
①フードを持つ
フードをフードボウルに入れて、一気に与えてしまうと30秒で食べきってしまうこともあります。暇になった子犬は飼い主の関心を引こうと咬みついてきます。
そこで、フードをフードボウルから与えずに、手にもって少しずつ与えるようにしてみましょう。手にフードを持っている間は、子犬がフードに集中して、咬む行動が少なくなるはずです。
②椅子生活にする。
飼い主が寝転がっていると、子犬は決まって、耳や髪の毛に咬みついてきます。顔に飛びかかってくることも多いでしょう。飼い主の目線や手が低い位置にあるとそれだけ咬まれるリスクは高まります。
そういう飼い主さんは、まずは椅子生活にしてみましょう。椅子に座っていれば、顔や手が子犬から遠くなり、子犬を興奮させにくくなります。
③ハウスリードをつける
子犬が家じゅう走り回って興奮して咬むということもよくあります。そもそも子犬は興奮しやすい生き物。家じゅうを走り回れるようにして放したら興奮するに決まっています。
家の中でもハウスリードをつけることで、子犬の行動範囲を制限すれば、子犬の興奮を下げることができ、咬まれるリスクを下げることができるでしょう。
④子犬の顔を正面からワシャワシャなでない
子犬を褒める時に「お利口だねー」と言いながら、手でワシャワシャと顔付近を勢いよく撫でていませんか?顔回りをワシャワシャされることは子犬に取っては非常に刺激が強く不快な事も。手を出すと咬みついてくる原因の多くがこれです。
子犬の正面から手を出して、顔を無理やりワシャワシャ撫でるのを止めてみましょう。それだけで子犬は落ち着き、興奮性も咬みつきもぐっと減る事でしょう。
咬まれる原因は飼い主にあり
子犬の咬みつきには原因があります。その原因を作っているのは多くが飼い主さんです。飼い主さんが子犬を刺激して興奮させてしまい、結果として咬まれて困っているという状態ですね。
子犬の行動を直そうとするのではなく、飼い主自身の行動に目を向け、咬まれない飼い主になることが大切です。
子犬の噛みつきの原因を理解し、対応するための支援策
ぎふ動物行動クリニックでは、全国で子犬の噛みつきに悩む飼い主さんに向けて、以下の支援策をご用意しております。
1.パピークラス|オンライン@youtube
2.動物の精神科医が教える、犬の咬みグセ解決塾
ぎふ動物行動クリニック院長 奥田順之(獣医行動診療科認定医)の著作です。
ぎふ動物行動クリニック院長奥田順之獣医師著
“動物の精神科医"が教える 犬の咬みグセ解決塾