浜松市内にお住まいの、もうすぐ2歳になるポメラニアンの男の子のご家庭から、往診のご依頼をいただきました。
主なご相談内容は「家族への攻撃行動」です。
床に落としたものを拾おうとした時に咬んでくる、リビングで人が急に立ち上がった時に飛びかかってくる、寝ている時に触ろうとすると咬む——といった行動が見られるとのことでした。
ご家族はこれまでトレーナーさんに相談しながら、少しずつ改善を試みてこられたそうです。
それでも、最近になって「やっぱり家族を咬むなんて異常なんじゃないか」「どうして咬むのかを知りたい」と不安を感じ、今回ご連絡をいただきました。
幼い頃からの「手を咬む」遊び
お話をうかがうと、子犬の頃から甘噛みが多く、おもちゃ遊びの中でも人の手を狙うように咬む傾向があったそうです。成長してからもその遊び方が続いている様子。
楽しく遊ぶ中で、テンションが上がってくるとどうしてもおもちゃではなく人の手を咬むし、むしろ手を咬もうとする遊びのほうを楽しみに誘ってくる場面もあるようでした。
小型犬にも多い「家族への攻撃行動」
ポメラニアンをはじめとする小型犬で、ご家族に対する咬みつきや威嚇が見られるケースは、実は少なくありません。
特に、この子のように
- 子犬の頃から遊びの中で「人の手を咬む」ことが当たり前になっている
- 落ちている物や口にくわえた物を「取られまい」と守る場面が多い
といった経験を重ねていると、犬にとって“咬むことが状況をコントロールする手段”として定着してしまうことがあります。
例えば、
- 手を咬めば人の動きが止まり、嫌なことをされなくて済んだ
- 咬めば物を取られずに済んだ
- 咬めば相手が距離を取ってくれた
犬の側から見れば、これらはすべて「うまくいった行動」です。
そして、「咬むと自分にとって都合のいい結果が得られる」という学習が積み重なると、やがて“遊び”や“物の取り合い”にとどまらず、生活のさまざまな場面でこの行動を使うようになっていきます。
こういったことが、「家族を咬む」行動の背景のひとつです。
「関わる時間」と「休む時間」のバランスを整える
このポメラニアンさんのご家庭では、すでにトレーナーさんのアドバイスで、クレートを生活の中で使うことに取り組み始めていました。
そのため今回は、クレートを活用しながら、「きちんと関わる時間」と「しっかり休ませる時間」にメリハリをつけることを第一歩としてご提案しました。
遊ぶ・トレーニングする・ふれあうといった“アクティブな時間”と、刺激から離れて静かに過ごす“お休み時間”のバランスを整えることが、興奮や警戒を抑え、咬み行動の頻度を減らす基盤になります。
犬が落ち着いて休める環境を整え、人との関わり方を見直していくことで、「咬む前に落ち着ける」「距離をとる」など、より望ましい選択肢を身につけていけるようになります。
まとめ
「咬む」という行動には、必ず理由があります。
犬が困っている、守りたい、驚いた、制御できないほど興奮している——そういったサインのひとつが「咬みつき」です。
問題行動の背景を知り、生活環境や関わり方を少しずつ整えていくことで、犬も人も安心して過ごせる時間が増えていきます。
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