トイ・プードルやダックスフンドと並び、日本の人気犬種トップ3常連のチワワ。
有名人で飼っている方も多く、広告などでも姿を見るため、知らない人はいないくらいの人気犬種でしょう。
ずっと抱っこしていたいくらいのサイズと愛らしさで、大きくてうるうるの瞳で見つめられると何でもしてあげたくなっちゃいますよね。
しかし、ただただ可愛いだけではないのがチワワ。特有の気の強さや怖がりさんな性格、攻撃行動などによって困った経験のある飼い主さんもいるのではないでしょうか?
この記事では、そんなチワワの特徴とよくある問題行動について解説していきます。
チワワってどんな犬?
チワワの歴史
世界で最も小さい犬として有名なチワワは、実はメキシコ生まれ。メキシコのチワワ州が原産地であることから、「チワワ(Chihuahua)」という名前がつけられました。
チワワの起源には諸説ありますが、9世紀頃から中南米に存在していた「テチチ(Techichi)」と呼ばれる犬が祖先という説が有力です。当時の文明の人々は、テチチを単なる家畜ではなく神聖な犬と考えていました。「死者の魂を導く犬」として亡くなった飼い主とともに埋葬されたり、宗教儀式に用いられたりしてきた歴史があります。
テチチそのものはその後の侵略などにより絶滅しましたが、一部テチチの血統を持つ犬たちが生き残り、流入してきたヨーロッパ系の犬種(テリアなど)と交配した結果、現在の姿に近いチワワが生まれました。
その後、19世紀に初めてアメリカに輸出されて品種改良が加えられ、爆発的な人気を誇る犬種となりました。
どんな性格?
古くから、チワワの役割は愛玩犬。「愛玩犬」の名の通り、猟犬や牧羊犬などとは異なり、飼い主の膝の上で抱っこされ、愛されることこそが一番のお仕事でした。
しかし、実はその小さい身体からは想像できないほどのパワフルさも兼ね備えています。可愛らしい姿をしていますが活発で気が強く、いざという時ははっきりと意思表示をする子が多いです。また、警戒心が強く、不安を感じやすい特徴もあります。
チワワに多い問題行動
顔周りを触ると怒る
顔周りを拭こうとしたら唸って咬んできた、吠えて怒られた、というご経験がある飼い主さんも多いのではないでしょうか?
チワワは元々の骨格的に目が大きくやや出っ張っていることもあり、涙やけなどが目立ちやすいですし、しっかり拭いてあげたくなりますよね。
そもそも顔周りは目・鼻・耳などの感覚器官が集合しており非常に繊細で敏感な部位です。
ただでさえあまり触られたくない子が多いですし、目やにを強く拭かれた時に痛かった、外耳炎がある時に耳を治療されて痛かった、などの経験から、強い拒否反応を示すようになる場合も多いです。
また、チワワは小型犬の中でも身体が最も小さいですから、自分よりずっと大きな人間が上から手を伸ばして迫ってくる、ということに対して脅威を感じるのは何となく想像がつきやすいですよね。
特に子犬の頃はあまり抵抗も強くなく、攻撃されたとしても深刻なケガに繋がることは少ないですから、ひょいっと抱っこして無理矢理やってしまう、というのはよくあるミスです。そのまま許容してくれる子もいますが、中には大人になるにつれてだんだん手が付けられなくなってくる子も。その結果として、攻撃する→人間は嫌なことをやめる→犬は攻撃が有効な手段だと学習する→次からも攻撃して回避しようとする、場合によっては先制攻撃する、という悪循環に陥ってしまうこともあります。
また、チワワは、水頭症、脊髄空洞症などといった先天的な神経疾患の好発犬種でもあります。また、脳炎やてんかんなどといった疾患が比較的若齢でも起きやすいのも特徴です。
神経疾患は、感覚異常や疼痛・しびれなどが生じることから、イライラしやすくなったり、小さな刺激に対して過敏に反応しやすくなったりする可能性はあります。
怖がり

外が怖くて散歩に行けない、音に反応して過剰に吠えてしまう、などもよく見られる症状です。
チワワは身体が小さいので警戒心が高く、恐怖や不安を感じやすい犬種です。遺伝的に、母犬・父犬が怖がりだと生まれた子犬も怖がりになりやすいですし、社会化期における社会化不足なども怖がりの原因になります。
また、「怖かった」という経験を繰り返せば繰り返すほど、学習はより強固なものになりますし、反応も次第に強くなっていきます。あまりにも恐怖や興奮が強いと、パニックになって攻撃行動に転じてしまうこともあります。
生まれ持った気質を変えることは難しいですが、子犬の頃から様々な刺激に触れさせていくことが重要です。すでに苦手なものがある子に関しては、それ以上「やっぱり怖かった」を経験しないように刺激をコントロールすること、本人の無理のない範囲で少しずつ刺激に慣らしていくことが必要になります。
おわりに
チワワの特徴と、よくある問題行動について解説しました。
この記事で紹介したものはほんの一部ですが、、攻撃行動がある場合には早めの対応が必要です。チワワは身体こそ小さいものの、実際に咬まれたら口も歯も小さいからこそ強い痛みになりますし、時には出血することだってあります。
深刻な攻撃行動にお悩みの方は、是非一度行動診療科の受診をご検討ください。
ぎふ動物行動クリニック(岐阜本院・浜松分院)の問題行動診療
犬のしつけ教室ONELife/ぎふ動物行動クリニック(岐阜本院・浜松分院)では、獣医行動診療科認定医の奥田順之が院長を務め、行動診療専属の獣医師が2名、CPDT-KA資格を持つトレーナーが2名在籍し、犬の噛み癖、自傷行動(尻尾を追って噛む、身体を舐めすぎて傷ができるなど)、過剰な吠えなどの問題行動の相談・治療に取り組んでいます。
岐阜本院では岐阜・愛知など東海地方を中心に、浜松分院では静岡県西部周辺地域(浜松、磐田、掛川、豊橋、新城など)を中心に診察・往診を行うとともに、全国からの相談に対応するために、オンライン行動カウンセリング、預かりによる行動治療を実施しています。埼玉を起点とした関東近郊の往診も行っています。
また、岐阜教室・浜松教室にて対面でのパピークラス(子犬教室(初回無料))を実施しております。
岐阜・浜松・埼玉ともに、岐阜本院での一次受付を行っております。058-214-3442受付時間 9:00-17:00 [ 不定休 ]
お問い合わせ

