ペットとしてはもちろんのこと、家族の一員として家庭にいちばん多く迎えられている動物はイヌです。そして、人間と生活を共にしてきた歴史が最も長い動物もイヌです。1万5千年頃前~現在まで、人間とイヌが共に暮らしています。そんな「イヌ」について考えてみましょう。
「イヌ」とは?
イヌを迎える前にイヌがどんな動物であるか、という事前認識が必要になります。
最近は、ぬいぐるみのように愛らしい見た目の犬種がおおく存在しています。しかし、すべてのイヌは人間の手によって家畜化されたオオカミに近い動物です。人間の仕事の用途によって様々な犬種が作り出されました。仕事の内容(羊や牛の管理、荷物を運ぶ、ネズミを駆除、撃ち落とした鳥を回収、番犬など)の素晴らしい特性が犬種ごとにあります。
「イヌ」ってこんな動物
・イヌは咬む動物です。元々、自然界を生きていた頃は獲物を食べるためには狩りをしないといけません。イヌは人間のように手が使えないぶん、手先を器用に使うことはできないので口と牙を使って狩りを行ってきました。
・イヌは吠える動物です。元々、危険や変化を知らせるために警戒をして吠えたオオカミを人間が役に立つと考えてそばに置きました。遠吠えはコミュニケーション手段の一つです。
・イヌは壊す動物です。物を咬みちぎって壊してしまうのは狩猟行動の一つです。狩りで捕まえた獲物を食べるために牙と顎を使って解体壊すことをしてきました。
・イヌは人間のように言葉を話すことや、言葉の意味を理解することはできません。犬同士でコミュニケーションを図るときは身体言語=ボディランゲージを使います。
飼い主さんの多くが困っている行動はイヌにとっては当たり前の行動のはずです。しかし、人間とイヌは姿かたちはもちろんのこと、文化や行動、コミュニケーション、常識も違う生き物であること互いに認識し、互いを受け入れなければイヌとの生活は難しいこととなるでしょう。一方的な「かわいい~」といったマスコット化、擬人化はとくに禁物です。
愛犬と快適に過ごしていくためにはまず、飼い主である人間からイヌはどんな生き物であるか、犬種によってどんな特徴があるかなどの知識を深め、認識をしていくことと、イヌの本能から来る欲求や犬種の特性をある程度は受け入れることです。そして、イヌは飼い主に人間と暮らしていく上での振る舞い方やマナーをトレーニングやしつけの中で教えてもらい、互いを受け入れていくことで快適な生活を送ることは可能になります。