問題行動って何?イヌを直す必要があるの?飼い主さんが悪いの?
ここ10年間のペットブームによって、小型犬種の増加、室内飼育、長寿命化など、犬との生活スタイルは大きな変化を遂げてきました。
人とイヌの距離が近づき欧米化した犬との暮らしは、多くのメリットをもたらした一方で、それと比例して問題行動が増加し、年々深刻化してきていることも事実です。
あなたが人間だけで暮らしていたら、イヌの問題行動で苦しむことはあるでしょうか?
逆に犬があなたと暮らすことなく一匹で暮らしていたら、問題行動と言えるでしょうか?
問題行動とは常識や習性、文化の違う者同士が共に暮らすことによって発生するものです。
“問題”とは人間の常識から見た“問題”でありイヌの常識からみたものではありません。
ヨーロッパではイヌは人間社会に溶け込んでいて、一緒にバスや電車に乗ったり、レストランにいったりでき、飼い主さんとイヌが社会の中で受け入れられているといえます。しかし、今の日本で同じことをすれば、様々な問題に発展することは容易に想像できます。
イヌは人間社会のルールを知りませんし、自然には理解できません。イヌが人間にとって不都合な行動をしたとしても、それはイヌにとっては常識的な行動かもしれません。
それと同時に、あなたが飼い主として常識的な行動をとったとしても、飼い主でない人、イヌが苦手な人にとっては不都合な行動もあるかもしれません。
このような相互の違いを認識したうえで、“飼い主さんがイヌについて学ぶこと”そして、“イヌに人間社会での暮らし方を教え育てること”、すなわち共育の普及が人とイヌが互いに尊重しあい、社会の中で安心・安全な生活を送るためには必須です。
異種であるイヌという動物を家族の一員として受け入れ、そして社会の一員として受け入れていくためには、相手を理解し、配慮する取り組みが不可欠です。一朝一夕にはできませんが、是非皆さんも一緒にイヌと暮らすための共育の普及に力を貸してください!!