柴犬の問題行動の改善のためには『しつけ』の前に『診断!』が必要なのは別の回に述べました。
けれども、診断で身体に異常がなかったとしても、いきなり『しつけ』をしましょうとはなりません。
というのも、しつけ=犬を訓練したり、行動を修正する前に、問題行動を発生させる刺激の制御が必要だからです。
改善のプロセスについて詳しくはこちらをご覧ください。
犬の攻撃行動への対応法。『しつけ』じゃない方法も!
犬の攻撃行動に対しては、正確な診断を行った後、治療として、身体疾患の治療、攻撃行動の発現の回避、犬の欲求を満たす、行動修正法、薬物療法を体系的に行っていく必要…
外の人に吠えるパターン
よくあるパターンは、家の外を通る人に吠えるパターンです。
このパターンでは、人が見えるから吠えるということが良くあります。
「人が通っても吠えないようにしたいんです」
と相談された時、できることは大きく分けて二つです。
「人が外を通っても、犬が気付かないようにする」
もしくは
「犬が人が外を通っていることを意識していても、吠えないようにトレーニングする」
の二つです。
想像に難くないように、前者の方が圧倒的に実施しやすいのです。
外を通る人が見えなければ、吠えは軽減できます。
窓に目隠しをしたり、ゲージの位置を変えたり、塀を立てるなども有効な場合があります。
寝ている犬に近づくと唸るパターン
寝ている犬に近づくと唸るパターンは、まずはしっかり診断をつけて、必要なら薬物療法も検討した方がいいことも考えられます。
その上で、寝ている犬に近づかなくていい生活環境を作ることも大切です。
自分ひとりで休める環境がない場合は、クレートやサークルを用意することが有効な場合もあります。
例えば、食卓の下で寝ていることが多く、家族が食卓に座ると唸るというケースがありました。これは、自分の安全な居場所が確保できておらず、机の下に隠れていたと考えられます。隠れていたのに自分をどかそうと近づいてくるのだから、うなっいたと言うことです。この場合では、飼い主さんとの関係改善が大切ですが、同時に安心できる居場所づくりも重要です。
まずは環境を見直す
ということで、問題行動の改善には、まずは環境を見直すということも非常に重要です。
問題行動の改善では、生活環境と生活習慣を整え、トレーニングを通じて関係を整えていくことで、犬が過ごしやすい状況を作り、安心した生活を送らせてあげられるように心がけていくようにしましょう!