本当に突然なら、異常行動の可能性あり

柴犬の本気噛みでは、「本当に突然噛まれた」「突然凶暴になった」と感じる飼い主が少なくありません。「突然」といっても、飼い主が原因を見逃しているパターンもありますが、本当に突然攻撃されたということもあります。

先日の相談では、飼い主はソファで横になっており、犬の方はリビングの床で横になっていたという状況で、互いの距離は2mほど離れていた状況で攻撃行動が発生しています。飼い主は特に動くことなく、寝転がっていたのですが、犬がむくっと立ち上がって、数秒立ったまま動かないと思ったら、急に飼い主に向かって攻撃して噛みついたとのことでした。

寝ている犬のそばを飼い主が通って噛まれるとか、寝ている犬を撫でたら噛まれるということは良くありますが、今回の症例のように、本当に何のアプローチもしていないのに突然噛まれるということがしばしば見受けられます。

このようなきっかけの見当たらない攻撃行動は、『異常行動』の可能性があります。柴犬は異常行動が起こりやすい犬種であり、突然の攻撃行動は、異常行動が原因かもしれません。

柴犬は異常行動を起こしやすい

柴犬は、犬の中でも突出してオオカミに近い遺伝子を持っています。原種に近い、家畜化の程度の低い犬と言えます。

犬は家畜化の過程で、人との関わりが得意な遺伝子が選抜され、攻撃性が薄められてきました。しかし、柴犬ではそうした遺伝的選抜が他の犬種よりも弱く、比較的攻撃性を強く残している犬種と言えます。

また、柴犬では尻尾を咬みちぎってしまう個体が少なからず存在します。尻尾を追って回転し、自分の尻尾に対して攻撃してしまうのです。このような自傷行為は明らかな異常行動です。このような尻尾追いを常同行動と言います。

柴犬は、尻尾追い(常同行動)だけでなく、他の異常行動を示しやすい犬種であると言えます。他の異常行動としては以下のようなものが挙げられます。

  • 自分の尻尾をかじってしまう、噛み切ってしまう
  • 日によって性格が違う(突然攻撃的になる日がある)
  • 時々目が座っている日がある
  • 尻尾やお尻を気にして、散歩で歩けない
  • 特定の場所を見つめて動かないことがある
  • 何もないのに、ハエを捕まえるように、口をパクパクさせることがある
  • 小さな刺激に対して、過剰な不安を示してしまう

このような行動がある場合、それは異常行動である可能性があります。