1.運動が足りない
噛む行動の直接的な原因ではないものの、運動量が足りないことは、噛む行動を発生させやすくする要因になります。
十分に運動して、しっかり休むというリズムを作ることは、自律神経のバランスを整えます。特に朝日を浴びながら運動することは、概日リズムを作るうえで重要な要素です。
どんな犬種でも、健康な犬なら、1日2回、1回あたり30分程度の散歩は必須です。運動量の多い犬種では、1日2回以上、1回あたり60分程度の運動が必要でしょう。
獣医行動診療科では、ヒアリングにより、運動量・活動量が足りているかどうか調べ、適切な運動量や活動の仕方について指導します。
2.噛まれやすい生活環境
噛む行動の直接的な原因ではないものの、噛む行動を発生させやすい環境があるかどうかを確認することは、噛む行動の原因を考え、治療プランを考える上で重要な要素です。
例えば、犬の寝床が定まっておらず、ソファや床で寝ている場合、犬は安心した寝床がなく、家族が近くを通ると唸るという行動を示しやすくなります。この場合、サークルを設置して、犬の行動範囲と、飼い主の行動範囲を分けることで、噛まれにくい環境を作ることができます。
獣医行動診療科では、ヒアリングにより、噛まれやすい環境がないかどうか調べ、犬も飼い主も落ち着いて過ごせる環境づくりについてアドバイスします。
3.生活が不規則/夜が遅い
生活が不規則であったり、夜寝る時間が遅い家庭では、犬の生活リズムが崩れやすく、犬が休みたい・眠りたいと考えている時に、飼い主さんが犬をかまってしまうことで噛むリスクが高まります。
相談の中でよくあるのは、犬が噛む時間帯がだいたい決まっているという状況です。時間帯が決まっているパターンでは、夜9時以降、あるいは、夜10時以降に噛まれるということが多いです。
大抵は、犬が寝ている時に触ろうとした、犬が寝ているソファに近づいた、犬がサークル内にいるときに撫でようとしたといった、犬が休みたいと思っている状況で、人が手を出そうとして噛まれているという状況になっています。