犬の認知症に対する、漢方薬の応用の可能性

人の医療においては、認知症に対して、漢方薬がよく使われています。犬の認知症に対しては、まだエビデンスに乏しく、頻用されているわけではありませんが、今後研究が進むことが期待される分野です。ここでは人の認知症に用いられる漢方薬についてご紹介します。

八味地黄丸

八味地黄丸は、地黄、山茱萸、山薬、牡丹皮、沢瀉、茯苓、桂枝、附子の8味からなる漢方薬です。

八味地黄丸は、老化現象に用いる代表的な漢方薬です。疲れやすく、身体の動きが鈍くなり、排尿の問題が起こり、腰が立ちにくくなり、物に躓きやすくなり倒れる、視力聴力が低下しているような状態の時に用いられます。

老化による多様な症状に用いられますが、認知機能の低下に対しても用いられています。

八味地黄丸の主薬である地黄は、栄養を補い、老化を防ぐ(腎陰の不足を補う)作用、消炎止血作用、神経反射をよくする作用があります。

うっ血性心不全や、排尿障害に用いられることがあります。