ご相談の主旨
- 人に対して咬みついてしまうということでご相談いただきました。
- 犬が落ち着いている時に撫でていると家族などを突然咬む。
- 散歩中に他人に咬む(人が離れようとすると咬む)。
- 診察中に獣医師に咬む。
基本の情報
- 犬種:ボルゾイ
- 年齢:3歳
- 性別:オス(去勢手術済み)
- 飼い主さん家族は、50~60代ご夫婦と20代息子さんの3人暮らし。
- 主に、リビングに設置した大型のケージ内で生活している。
【咬みつき】攻撃行動の経歴
[概要]
- 最近困っているのは飼い主さんに対する攻撃(ここ4ヶ月程度)
- ソファで座って撫でていた所、咬まれた。
- 訪問していた親戚が、リビングでケージを出たあたりに繋留していた犬を撫でていたところ咬んだため、叱ったらお母さんも咬まれた。特に何の前触れもなく突然咬みついた。
- 足拭きやブラッシングでも、咬まれることがある。
- 縫う必要がある程の傷になることもあった。
- 散歩中に出会った他人に対する攻撃(3回程度)
- 散歩中に人がいると自分から寄っていく。(女性は特に好きな様子だが、男性でも知っている人なら喜んで近づく。知らない男性には警戒している。)
- 出会った人が撫でてくれた場合に、立ち去ろうとすると咬む。数か月より以前は、咬む行動はなかった。
- かかりつけの病院で診察中、獣医師に咬みついた。
- ケージ内での攻撃
- ケージ内に息子さんが入って撫でていたら咬まれたことがある。
- お母さんとしては、なんとなくケージに入られたくないのではないかと感じることがあるとのこと。
[経緯]
- [迎えた当初:生後2ヶ月]小さい頃から咬むことは多かった。
- [生後4ヶ月の頃]
- 人間のお菓子を持っていってしまったので取り上げようとしたら咬まれた。
- フードボウルを取ろうとすると唸る行動が見られた。
- 散歩中に跳びつきかみつこうとする行動があった。跳びつかれて歯が刺さって、縫った。
- [生後5ヶ月~13ヶ月の頃]
- 歯が刺さって縫ったことから、訓練所に預けることにした。
- 平日訓練所にいて、休日帰ってくる形で、この時期は問題は起こっていない。
- 訓練後、散歩中の跳びつきはなくなり、上手に歩けるようになった。また、フードボウルを取ろうとすると怒る行動がなくなり、代わりに、フードボウルを取ろうとするとケージの角に逃げるようになった。
- [1歳1ヶ月~]
- 頻度はまちまちだが、1ヶ月に2回~2ヶ月に1回くらいの頻度で咬まれていた。
- [ここ4ヶ月程度]
- 散歩中に他人に咬む、撫でていて突然咬むなど、咬むタイミングが増えてきた。
[その他の情報]
- トリミングサロンでは攻撃行動は発生していないと思われる。
- 普段部屋に出ることが少ないので、部屋に出ると興奮する。
- 口輪をすれば、ブラッシングできる。口輪をするとおとなしい。
- 最近、後ろ足をなめ続ける行動がみられる。
診断とお話し
- 愛情要求の高い犬なので、しっかりと時間を使っていくことが第一に大切でしょう。
- 散歩中の他人に対する攻撃については、不用意な接触に関してはやはりリスクが高すぎるので、避けるしかないかと思います。
- 足拭きやブラッシングに関しては、練習によって、嫌がる頻度が減るのではないかと思います。
- 口輪を使うのであれば、口輪に良い印象をつける練習は行ったほうが良いでしょう。
- トレーニングの活動を一緒にやることは、犬の愛情欲求を満たすことに繋がると思います。
具体的な対応策
- 犬と関わる時間を確保する。
- リードを付けて、サークルから出して関わる時間を増やすようにしましょう。
- サークルに戻すときオヤツを使うようにしましょう。
- オヤツの頻度を増やす。
- オヤツを与えながら関わる時間を増やしてみましょう。
- 他人とは接触させない。
- リスクが高いので、散歩中に他人と接触させるのは避けましょう。
- 口輪のトレーニング
- プライベートレッスンの中で実施できればと思いますが、口輪を嫌がらずにつけられるトレーニングをしていきましょう。
- プライベートレッスン
- 基本的なトレーニングについて学んで、毎日必要となる足拭きやブラッシングについても、犬が気持ちよく、飼い主さんも安全に実施できるようにしていきましょう。