こんにちは!
こちらのQ&A記事では飼い主さんから実際に寄せられたご相談をご紹介します。

今回のご相談はこちら!

「猫が過剰に体を舐めます。」「舐めすぎて毛が薄くなってしまっているようです。」「舐めている時チュパチュパ大きな音が聞こえてくることがあり、舐めているというか吸っているという感じがする。

飼い主さんにお話を聞くと、同居犬が体調を崩し、亡くなってしまったという経緯があったそうです。
また家の周りにいる野良猫に強い反応を示している様子とのこと…。

 

【診断やアドバイス】(獣医行動診療科認定医 鵜海敦士)

今回は行動の状況、診察時の状況等から、猫における心因性脱毛症と診断しました。

同居犬の健康状態の悪化によって、飼い主さんから関心が向けられることが減ったり、散歩に出られる頻度が減ったりした(※この猫ちゃんは普段から庭などで散歩しておりました)ことによって、それまで得られていた刺激が少なくなり、欲求不満や状況への葛藤感からグルーミング行動の頻度が過剰になった状態と考えられました。
また、見知らぬ猫に対する警戒心も高かったことから、野良猫が現れることもストレスになっている可能性が考えられました。

治療の方向性としては、以前のように遊ぶ時間や関わる時間をしっかりもち、欲求を解消する機会を増やすことが必要だと考えられました。

以下、実際に行った具体的な対応を列挙いたします。

<対応と対策>

1.遊びの量を増やす

遊ぶ機会や遊びの質を増やすようにしてもらいました。
猫とはいえど、犬と同様、飼い主さんと遊びを通してコミュニケーションを取ることは重要で、欲求不満の解消にもなります。

2.散歩の時間を増やす

散歩の時間をコンスタントに取り、1回を長めに行くようにしてもらいました。
散歩時間や機会を増やすことにより、普段の欲求が今よりも解消される可能性が考えられました。

3.知育トイの活用

狩りをしながら食べるということを目指して、知育トイを利用していただきました。
室内で過ごす時間が長い現代の猫でも、依然として狩の本能はあります。
そういったオモチャや遊びを通して、猫が猫らしくいられるよう、狩りの欲求を満たしてあげてもらいました。

4.食餌療法

現在療法食を食べていただいていますが、猫のストレスに対応する療法食をご提案しました。
ヒルズのc/dマルチケアコンフォート、または、ロイヤルカナンのpHコントロール+CLT と言う療法食です。
気持ちを落ち着ける効果がある成分が含めれているため、恐怖や不安、ストレスに関連した問題が緩和される可能性を考慮しました。

5.フェロモン療法

猫のストレス緩和にフェリウェイと言うフェロモン製剤をご提案しました。
これを利用することで、ストレスを緩和できる可能性が考えられました。
蒸散タイプとスプレータイプがあり、Amazonなどで入手することができます。

 

この子は上記対応などを実践していただき、3か月後にはすっかり元通りの毛並みに戻っておりました。
こちらには記載できておりませんが、不適切な場所での排泄もありましたが、それはそれでトイレの状況を見直したことですぐに問題は無くなりました。

この猫ちゃんは通常の毛並みに戻りましたが、また生活上のフラストレーションや葛藤感が強くなるような状況に至れば、過剰なグルーミングやそれに伴う脱毛は発生する可能性があります。
こういった行動への対応は改善しても、その状況を維持することが重要です。

もしご自宅の猫ちゃんの「過剰なグルーミング」でお困りの方がいましたら、こちらからお問い合わせください!
しっかりお話を聞かせていただき、できる限りのサポートをさせていただきます!

【オンライン行動カウンセリングのご案内】
当院では、獣医行動診療科認定医らによる、オンライン行動カウンセリングを実施しております。人の危険があるなど、緊急の対応の必要がある場合は、ご相談ください。詳細はこちら

【預かりによる問題行動トレーニングのご案内】
家族に対する攻撃行動など、非常に危険で、人の安全確保が難しい例をはじめとして、飼い主では手に負えない場合には、獣医行動診療科認定医監修の元、長期預かりトレーニングを行っております。詳細はこちら