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- 留守番時の過剰咆哮、トイレの失敗などの問題行動についてご相談いただきました。
基本の情報
- 犬種:ミニチュアダックスフンド
- 年齢:10歳1か月
- 性別:メス
- 飼い主さんは、ご夫婦と娘さんの3人家族
- 飼い始めた頃からずっと先住犬と一緒だったが、昨年2月に亡くなった
- 2022年11月に血液検査での肝臓の数値が急上昇(かかりつけ動物病院にて)
- 2月には正常値付近まで下がった
- X線、エコー等各種検査を行ったが異常なく、先住犬を亡くした精神的ショックから来ているのではないかと言われた
- 現在、サプリメント類を内服していて、定期的に診察や検査も受けている
- 生活環境:庭ありの一軒家、犬は1階にいることが多い
- 留守番時の居場所
- 以前はLDKにいた
- お隣の家より吠え声の苦情が来てしまったため、その家から遠い和室にいてもらっている
- 今後LDKの窓を防音にリフォームするため、7月以降はLDKにいることになる
【分離不安】問題行動の発生状況(吠え、トイレの失敗など)
- [昨年2月~]留守中のトイレ失敗
- それ以前はトイレの失敗は1回もなかった
- その当時はリビングで留守番していたが、トイレ以外の場所で排尿することが出てきた(毎回ではない)
- 留守番の場所を和室にしてからは失敗が減っていたが、先日、布団の上にしてあることがあった
- [昨年内]近隣宅の通報で吠えていることに気づいた
- 近隣宅から保健所に連絡があったため、ペットカメラを設置
- 留守の間、ずっとではないがたまに激しく鳴いていた
- [今年5月8日]近隣宅から直接申し出あり
- 直接、鳴き声の苦情を受けた
- 以前より鳴く頻度が増し、10分も我慢できなくなっていた
- GWに、別に暮らす家族も戻ってきて賑やかだったが、GWが終わって静かになってしまったことがきっかけのように思う
- 出かけるときの様子
- ドア前で伏せて待っており、そのときは吠えない
- お母さんが出ていく時はすぐ吠えることもある
- できるだけそっと出ていくようにしている
- 帰宅時の様子
- とても興奮して吠える
- 以前は吠えることはなかった
- 落ち着くまで相手をしないようにしている
- 家族に対する後追い
- 家族全員に対してついて歩く
- お風呂、トイレなどに行くとき
- そのときは吠えない
診断とお話し
- 診断:分離不安
- 留守番時にご家族と離れることに対して過剰に不安を感じ、吠えたりトイレの失敗をしてしまっているものと考えられます。
- 不安を軽減するためにお薬を使いながら、犬が不安を感じにくいような環境を整えていきましょう。
- 肝臓の数値については、かかりつけ動物病院にて、肝疾患の診断は出ていませんが、薬物療法による影響が懸念されますので、継続して経過をよくみてもらってください。
具体的な対応策
- 出かける時・帰宅時の対策
- そっと気づかないうちに出ていく
- 帰宅時は落ち着くまで構わない
- 現在すでに注意して対応しているので、継続する
- 留守番時の対策
- 集中して取り組める仕事を提供する(知育トイなど)
- 今使っている知育トイの難易度をあげてみる
- コングなどを使い、長く時間がかかるよう工夫する
- いろいろな知育トイを使ってみて飽きさせないようにする
- 布などにフードをくるんで探索させてみる
- 留守中にテレビやラジオをつけておく
- トレーニング
- 飼い主さんが出かける時の練習
- 本当のお出かけの予定がなく時間のある時に練習する
- ①ドアを開けて数秒出るけどすぐ戻ってくる
- 犬が吠える前に戻ってくることが大切
- 最初は一瞬でOK
- ②繰り返すうち平気になってきたら時間を少しずつ少しずつ増やす
- 急に長時間にしない
- 犬が吠えない範囲で時間を少しずつ増やす
- 出かける準備の段階で反応が強い場合は、出かける準備をするけど実はでかけない、という練習をするのも良い
- 「待つ」トレーニング
- 犬自身が楽しめるように取り組んでいくのが大切、無理強いしてがんばる必要はない
- 最初は一瞬待つだけでOK
- 短時間でも毎日トレーニングの時間を作ってみると良い
- 毎日1秒ずつでも、待てる距離や時間が伸びていくと良い
- 自立心を育てるトレーニング
- ノーズワークがおすすめ
- 今後プライベートレッスンから始めて、トレーナーさんと勉強していけるとよいと思います
薬物療法について
- フルオキセチン(10)1/4錠 1日1回使っていきましょう
- 眠くなる、消化器症状(下痢、食欲不振)などの副作用が出る場合があります
- 効果が出るまで3~4週間かかります
- 低用量から処方していますので、副作用が出なければ効果をみて用量を増やすことも可能ですし、合わなければ他の薬剤の選択肢もありますので、次回以降で調整していきましょう
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