飼い主を噛む、咬む【柴犬しつけ&噛み癖研究所】 | ONELife~犬のしつけ教室&雑貨屋~ 

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問題行動症例

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飼い主を噛む・機嫌が悪い・尻尾を追う

投稿日:2015.12.07|柴犬しつけ&噛み癖研究所

こんにちは。ONELife/ぎふ動物行動クリニックの獣医師の奥田です。

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写真はウチの愛犬のしんさんです。

 

柴犬の問題行動の相談は本当によくありまして、毎週何かしら新たな相談をいただいています。

 

相談件数は断トツのNO1です。
もちろん、咬むってのが多いですが、尻尾を追うというのも多いです。

咬む柴犬は、尾追いも併発していることが良くあります。

特に、

『いつもはいい子なのに、急に人格が変わったように咬みついてきた』

と言うような例に多いように感じます。

昨年末から診ている柴犬ちゃんは、日によってすごくいい子にしている日と、不安そうにゲージから出てこなかったり(不安行動)下痢や嘔吐をしてしまう日があるということで相談いただきました。もちろん尾追いもありました。

普段は触っても嫌がることなく大丈夫なのに、不安行動を示している時に、「大丈夫?」と撫でようとすると咬みついてくるとのことでした。

結論から言うと、常同障害・全般性不安障害・恐怖性攻撃行動が併発した状態と診断し、脳内のセロトニンを調整するお薬(フルオキセチン・トラゾドン)と行動修正法を実施し、現在は不安行動・攻撃行動はなくなり、嘔吐や下痢も発生しなくなっています。

柴犬では尾追いは良く発生しますが、これは葛藤行動と言われています。

葛藤が発生するとその対応として尾を追う。ストレス反応のひとつと言うことです。

多少回るのは問題ないのですが、執拗に追ってしまい、無目的に反復している様な状態で、動物の福祉状態に問題があったり、飼い主さんとの生活に支障をきたしている状態を常同障害と呼びます。

常同障害は脳内のセロトニン代謝の異常がその原因の一つと考えられています。

※ 尾追いの原因はセロトニンだけでなく、てんかんやアレルギー性皮膚炎などの身体疾患が関わることが多くあり、鑑別が必要なことはお忘れなく。鑑別はかかりつけの獣医師や行動を専門にしている獣医師にご相談ください。

さらに、ラットでは脳内セロトニンの濃度が下がると、攻撃的になることが知られています。

おそらく、この柴犬ちゃんは、セロトニンの代謝の異常があって、不安や攻撃、尾追いをしてしまっていたのではないかと考えられます。

今でも強い葛藤を生むような状況、固いガムをかませる等をしたときは表情が変わるということで、気を付けてもらっています。

(固いガムをかむと、食べたいのに食べれなくてイライラする、ガムを守るためになどの理由で葛藤が生じるのではないかと考えています)

柴犬で咬む場合、尾を追う場合は、トレーニングだけでなく、薬物療法が有効な場合が多いですので、あきらめずに獣医師に相談してみてくださいね。