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柴犬が噛む理由まとめ【柴犬噛み癖研究所】

投稿日:2016.06.24|柴犬しつけ&噛み癖研究所

柴犬が噛む理由、子犬の噛みつき(いわゆる遊び噛み)ではなく、成犬の噛む理由をまとめてみました。
噛む柴犬の飼い主さんは、愛犬や自分の接し方であてはまる項目があるかどうかチェックしてみてください。

そもそも、犬が噛む理由は大きく分けて4つです。

1.身体的な問題:犬が身体の病気、脳の器質的な病気
2.脳機能の問題:てんかん体質、常同障害、高齢性認知機能不全
3.気質的な問題:不安傾向、興奮しやすい気質
4・接し方の問題:体罰、撫ですぎ、負の強化、環境の問題 などなど

1.身体的な問題:犬が身体の病気、脳の器質的な病気

まずは、身体的な問題から噛んでいるということが理由として挙げられます。体のかゆみ・痛み、甲状腺機能や副腎等の内分泌機能の疾患、肝門脈シャントなど代謝性疾患などによっても攻撃行動が発生することが有ります。また脳の器質的な異常、水頭症、脳腫瘍、脳炎などによっても攻撃行動が発生することが有ります。
東京大学行動診療科を受診した62頭の犬のうち、血液検査等によって3頭に異常が、MRI検査によって7頭に異常が見られたとの結果が有ります。当方ではこれほど積極的な検査は行えていませんが、岐阜大学動物病院でMRI検査等を実施しています。今のところMRI検査で異常が見られた症例はありませんが、門脈シャントの症例に遭遇しています。攻撃行動だと、身体的な問題については想定しづらい部分がありますが、十分に可能性がありますので、しっかり検査していく必要が有ります。

2.脳機能の問題:てんかん体質、常同障害、高齢性認知機能不全

次に、脳機能の問題で、身体的にあるいは脳に器質的な病変はないものの、機能的に問題がある場合です。特発性てんかんやてんかん体質、常同障害、高齢性認知機能不全などがこれにあたります。特に近年注目されているのがてんかん体質です。獣医領域では一般的ではないですが、人間のてんかんの検査では、脳波測定を行います。東京大学の行動診療科で問題行動のある犬に脳波測定を行ったところ、その8割にてんかんの際に記録される脳波である棘波や多棘波が観察されました。これら棘波や多棘波が観察された症例をてんかん体質として、抗てんかん薬を投与したところ、その7割で症状の改善が見られたとのことでした。
攻撃行動の原因として、脳機能が異常な状態にあるということも十分に可能性があるどころか、約半数では何らかの異常があると考えたほうがいいかもしれません。もちろん抗てんかん薬が効くからてんかんだというわけではなく、正常な個体に対しても抗てんかん薬は鎮静作用があることから、そうした鎮静作用が働いて問題行動が改善しているという側面もあると思われます。しかし、それでも、問題行動のある犬では、他の犬にくらべて、脳神経の興奮が起こりやすいからこそ、抗てんかん薬で効果が見られると考えることが出来ます。こうした可能性もしっかりと考えていかないといけませんね。

3.気質的な問題:不安傾向、興奮しやすい気質

さらに、脳の機能と言うよりは気質の問題として、不安傾向、興奮しやすい気質、葛藤に弱い気質などが考えられます。これは、社会化期における社会化の程度や、胎生期の母犬へのストレスのかかり具合で変化してきます。

胎生期に母犬がストレス状態に置かれると、母犬の中で分泌されるストレスホルモン(コルチゾール)が胎児に影響し、脳内のコルチゾール受容体の数が減少することが知られています。また、持続的で避けがたいストレス状態では、神経の持続的な興奮による興奮毒性により、海馬の委縮が起こることが知られています。このように母犬や自身が避けがたいストレス状態に陥ることで、気質的な問題が起こってきます。

また、社会化期にどの程度社会化できたかも気質に大きな影響を与えます。ワクチンが終わるまで外に出さないようにしたために、不安傾向の強い犬になる場合は良くあります。社会化については以下の記事を確認してください。

子犬の社会化

4・接し方の問題:体罰、撫ですぎ、負の強化、環境の問題

最後に、接し方の問題があります。これは体罰を用いたり、撫でられるのが好きではないのに撫ですぎたり、不適切な接し方により噛みつきを助長してしまうことです。ココではよくある接し方による

体罰

柴犬は、他犬種に比べて嫌悪経験の回避傾向が高いことが攻撃行動に関するアンケートで明らかになっています。どんな犬種でも同じですが、体罰を用いることで、問題行動を悪化させてしまうことが多くあります。また、体罰によって、それまで噛むことのなかった犬が、嫌悪経験を避けようとして噛むようになることもあります。柴犬が噛む場合、嫌な事を避けようとして攻撃してくることが多い訳ですが、これに体罰を用いると、飼い主は嫌な事をされると学習させ、余計に攻撃行動が強くなることが有ります。

撫ですぎ

柴犬は、もともと触られることが苦手な犬種です。しかし、室内飼いが増加したことで飼い主との接触が増え、それに合わせて噛む問題行動も発生しやすくなっているのでは?と感じます。小さな頃から無理に触ることによって、嫌悪感が大きくなってしまうこともあります。よくあるのがブラッシングや足ふきを嫌がるパターンですね。ブラッシングを嫌がっているのに無理やりやってしまって、それを避けようとして噛む行動が徐々に強化されてしまうという形です。足ふきも同様です。首輪を持つと噛むということもあります。これらの素因には飼い主との距離が近すぎて触られることが多く、平たく言えば、飼い主からの接触を『うざったく感じている』ことも影響しています。

負の強化(嫌な事をしようとして、噛まれたのでやめた)

もう一点が、負の強化です。これは噛むことで嫌な事が終わるという学習の結果、噛む行動が強化されていくということです。人を噛んだ時に抱っこされるのから逃げられたとか、ブラッシングから逃げられたという経験を積めば、噛むあるいは唸ることによって、嫌な事から逃れるようになります。特に小さな頃からリビングで自由でクレートやサークルに入る生活をしていない場合、拘束や狭いスペースに馴れることが出来ず、そうした経験を避けるために、触ろうとすると逃げるとか、抱っこしようとすると噛むと言った行動が多くなりがちです。リードを着けようとすると噛むというのも同じですね。負の強化を防ぐためには、まずは噛まれないように無理なことはせず、噛まれないように馴らしていくことが必要です。

環境の問題

環境の問題としては、持続的なストレスのかかりやすい環境だと、小さな刺激に対しても反応性が亢進して噛む行動につながりやすくなります。例えば、人通りの多い道路に面した家で、人通りをみせてあげようとして、庭につないだり、わざわざ人通りが見える場所にいさせるようにすることは良くあります。しかし、人に対して恐怖心を抱いている犬の場合、それが逆にストレスになっているというケースをよく見聞きします。あるいは、自分専用のゲージがなく、ソファーや机の下を居場所にしている場合、家族もその場所を使うことになるため、居場所を守ろうとして唸るということがよくあります。