ジアゼパムは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬と呼ばれる薬で、不安を和らげる作用と同時に、脳全体の活性を落とす作用があります。体重1キロ当たり1回0.5~2㎎を1日に2回~4回飲ませます。

ジアゼパムは、脳のGABA受容体(チョコレートなどで昔流行りましたね)に作用し、脳を落ち着かせる作用があります。アルコールを飲んでボーとしている感覚に近いと言われています。抗てんかん作用があり、脳のシナプスの過剰な発火を抑える作用があります。

ジアゼパムの特徴は、即効性があることで、投薬後30分程度で作用を示します。作用時間は短く。4~6時間程度で作用がなくなります。そのため、暴風雨への恐怖症や花火恐怖症などに多用されます。強い鎮静作用があり、抗てんかん作用があるため、てんかん体質が疑われたり、強度の攻撃行動の際に緊急的に使用することが有ります。長期に使用すると、耐性ができ効果が弱くなることがあると言われていますので、初期のみの使用に限る場合が多いです。

副作用としては、ふらつく、活動性の低下、食欲亢進、逆説興奮、などが認められます。

肝臓で代謝され、選択的セロトニン再取り込阻害薬と競合するため、併用する場合は、それぞれに効果が強くなる可能性がありますので、反応を見て投与量を調整していく必要があります。また、耐性ができやすいため、長期連用できないため、頓服として利用したり、治療の初期にSSRISの効果が表れるまでに補助的に使用されることが多いです。

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(ぎふ動物行動クリニック 獣医行動診療科認定医 奥田順之)