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柴犬しつけ&噛み癖研究所

問題行動症例

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食餌関連性攻撃行動

投稿日:2016.06.08|柴犬しつけ&噛み癖研究所

ご相談の主旨

食餌前後の家族への攻撃行動に問題を感じ、ご相談いただきました。

本日お知らせいただいた内容(行動の経歴)

Kちゃんは7歳の柴犬の男の子で、ペットショップさんから1ヶ月半の頃に迎えました。小さな頃から咬みつきが強く、3ヶ月の頃にしつけ教室に相談に行ったとのことでした。4カ月の頃からゴハンの皿を下げる際に咬むようになり、その後食事に関連した攻撃行動が続いているとのことでした。何度か引っ越しをしており、特に現在の住まいに引っ越してきてから5月~10月の夏の間に攻撃行動が発生することが多いとのことでした。成長するにつれ怖がりが強くなり、散歩に連れていこうと思っても嫌がって出ない時があるとのことでした。

問題は、ゴハンに関連した攻撃行動で、食餌の前後で攻撃的になるとのことでした。ゴハンは外で与えるか、ゲージの中で与えており、ゲージの中で与える際は全て食べ終わるまで出さないようにしているとのことでした。全て食べ終われば危険性は低くなるため、すべて食べ終わった時点で出すようにしているとのことでした。最近では、飼い主さんがゴハンを食べているとじっと見つめてきて危険な感じを受けることがあったり、手からオヤツや人の食べるものを与えた時も、いつもなら「ないよ」と言えば納得して水を飲みに行くにもかかわらず、普段と違い水をほとんど飲まず、威嚇するような行動を取ったりしているとのことでした。

その他、気になる行動として、手を執拗に舐めること、口をくちゃくちゃ咀嚼するような行動が頻繁に見られること、クッションに対してマウンティングが多いことなどが挙げられるとのことでした。

診断とお話し

これまでの経緯と問題行動の発生している状況、カウンセリングの様子から、
今のところ、食事関連性攻撃行動であると考えられます。

今回特に身体的な異常については、特に異常が見られているわけではありませんが、何かしらの異常が隠れている可能性もありますので、必要に応じて血液検査など精密な検査が必要になる場合もあります。再診させていただきながら、かかりつけ動物病院等と連携して実施していきたいと思います。まずはすぐに家でできる対処を行っていきましょう。

ゴハンを守る行動は、防衛的な攻撃行動であり程度の差こそあれ犬ではよく見られる行動であるものの、Kちゃんの場合はその程度が強すぎると言えます。ゴハンに関連したストレスから、過度の緊張状態となっているあるいは、てんかんの焦点性発作が起こっているかもしれません。手を舐める行動は、常同障害と言って、無目的な行動を繰り返す行動の疾患です。常同行動は他の理由でも発生しえますが、他の行動も含めて考えると、何らかの脳の異常がある、もしくは身体的な異常があることが考えられます。

まずは、薬物療法で反応を見つつ、身体的な異常についても精査していく必要があります。薬物療法の反応は、手を舐める行動の増減、口の咀嚼行動の増減、マウンティングの増減、食欲の状態、睡眠の状況の変化、食事中の反応を観察してください。手を舐める行動、マウンティングなどは回数を数えることで客観的に評価できるように記録していただけると助かります。

また、人のゴハンを与えていることで、フードを食べなくなっていることも考えられますので、なるべく人のゴハンは少なくしてください。体つきもどちらかと言えばがっしりして太っているので、フードを無理にすべて食べさせることに固執する必要は少ないと思います。フードを変更して嗜好性を上げることと、フードの量を多少少な目にしてもいいかもしれません。外で与える際は、無理にすべて与えなくても、食べなければすべて食べなくてもやめてもいいでしょう。体重の変化を見て、ゴハンについては検討していくようにしましょう。

薬物療法について

今回、薬物療法として、塩酸フルオキセチンとジアゼパムを使用し、反応を見ていきましょう。

◎ 塩酸フルオキセチン

フルオキセチン~行動の治療で使用される薬剤~

◎ ジアゼパム

ジアゼパム~行動の治療で使用される薬剤~

さいごに

わからないことや改善の状況など、なんでもご相談ください。しっかりサポートして参りますので、一歩ずつ進んでいきましょう。
何かありましたらいつでもご連絡ください。

その後の経過

薬物療法開始後から、機嫌が悪くなることがなくなり、安全に生活しているとのことでした。
1ヶ月に1回フォローアップしており、現在3ヶ月目になります。ジアゼパムは耐性ができやすいため漸減していますが今のところ問題行動は制御できています。