現在、日本では一年間に10万頭を超す犬猫が保健所に持ち込まれています。

中でも、高齢の飼い主さんが、入院や要介護になったことで飼えなくなってしまうことは年々増え続けています。

「飼えなくなってしまうかもしれない。もし、自分が飼えなくなった時、それでもこの子を幸せにしてあげたい。」高齢化が進む日本社会において、切実にそう願っている飼い主さんがたくさんいらっしゃいます。

実は、そうした事態に備える方法は複数あり、個人個人によって何を選べば良いかは変わってきます。負担付生前贈与、負担付遺贈、遺言、民事信託、商事信託、生命保険信託、老犬老猫ホーム、後見互助会…様々な選択肢があるのです。

本セミナーを主催する、NPO法人人と動物の共生センターでは、ペット後見互助会とものわを組織し、弁護士、行政書士、獣医師、トレーナー、老犬老猫ホーム等と連携し、犬猫と飼い主さん双方が最後まで幸せに、安心して暮らせる選択をサポートの形を研究してきました。そして、そうしたサポートを今後東海地域で展開していく皮切りとして、本セミナーを企画しました。

今回のセミナーでは、如何に備えるかその方法と選択肢をお話し、ご希望の方には個別相談を実施します。

とものわは、誰もが最期まで大切に飼うことができ、もし、飼えなっても次の飼い主にバトンパスできる、人と動物が共生する支え合いの社会創りを応援していきます。

【セミナー詳細】

日 時:3月9日(木)・3月19日(日)
13:00~15:00
2日間同じ内容です。

内 容:もしも飼えなくなる場合に備えるための方法の紹
どのようなケースでどの選択肢を選べばいいか
個別相談

講 師:獣医師 奥田順之
NPO法人人と動物の共生センター理事長

個別相談:連携の弁護士・行政書士等が担当致します

場 所:犬のしつけ教室ONELife(岐阜市岩地2-4-3)

参加費:3,000円/家族(個別相談込)

定 員:各回6家族

主 催:NPO法人人と動物の共生センター

申込み:要予約。お電話にてお願いいたします。
058-214-3442(ONELife)

【本セミナーに込めた思い】

家族や地域とのつながりが強ければ、いざという時に頼れるかもしれませんが、誰しもが必ずしもそうではなく、どうしても孤立してしまう人もいます。

ペットの存在が活力をもって生きる源泉になることは多くの研究でも知られていることではありますが、孤立してしまう人にこそ、ペットの存在が必要とされるであろうと考えています。

また、健康で若い人でもいつどんな事情で飼えなくなるかということは分かりません。不慮の事故に見舞われたり、病気になる可能性もあります。飼えなくなることに対する責任をどうするのかは誰しも考えるべき部分でしょう。

飼えなくなる場合に備える方法として、家族・友人知人・地域とのつながりを強くするという事以外に、ペットのための信託契約や、負担付贈与、生命保険を用いた方法、老犬老猫ホームの活用など思ったよりたくさん選択肢があります。でもそういうことって知られていないと思います。

今回、弁護士さん、行政書士さん、高齢者の支援をしているFPさん、老犬老猫ホーム経営者さん、保護施設の代表の方など様々な方に長期(2年くらいになるかと)にわたってご協力いただき、知恵を出してもらって、今回のセミナーを開催させていただくことになりました。ご協力いただいている皆さんに感謝申し上げます。

これからの高齢化社会には、一人の飼い主が最期まで飼えない事は増えてくるでしょう。最期まで飼えないからその飼い主は悪いやつ、無責任なやつと決めつけるのではなく、最期まで飼えないかもしれない可能性を織り込んで制度を設計しないと、結局、人も動物も幸せになれないと思っています。

動物のために自己責任を追及するのではなく、人と動物の共生のために支え合える共助の仕組みが必要でしょう。今回のセミナーから共助の仕組み作りを行っていければと考えています。